ワクチン打ったのに「罹患率同じ」の怪

 世界的にも有名な「前橋レポート」という研究があります。これは、当時ほとんど義務接種であったインフルエンザワクチンの接種対象者である学童を広範囲の居住区で区切って接種と非接種の場合の罹患率を比べた実験です。

 その結果は、ワクチンを打っても打っていなくても罹患率に変わりはないというものでした。また、インフルエンザに罹っていないのにそれに対する抗体を持っている「不顕性感染」がかなりあったこともわかりました

 少し前までは「流行性感冒」の名で知られており、いわゆる風邪(=感冒)と明確な区別がされ、マスコミで対処法などが盛んに報道されるようになったのは1980年代のワクチン騒動が忘れられてきてからここ20年あまりのことです。それまでは、風邪と同じ扱いでワクチンを打たなくてもインフルエンザ治療薬をのまなくてもなんとかやり過ごしてきたものでした。

 わが家を振り返っても、子供が生まれてから子供のためにとワクチンを打ち始めてから何だか頻繁に罹るようになりました。結婚前までは何かひどい風邪だと思ったのが記憶にあるのは2回くらいです。夫は打っていませんが今のところ罹ってないです。特に一回罹るとその後も罹りやすくなるようで 、昨シーズンの豚由来型インフルエンザは新種だからまだ何とも言えませんが、いろいろ知るようになって3年前から季節性インフルエンザワクチンは接種しなくなりました。

 「なぜ日本にはスギ花粉症が多いのか?」の項に書いたように、ウイルスは手を持っており、ヒトの細胞にあるシアル酸 と手をつなぐことによって侵入してきます。だから、この手が合わないものには影響力を与えられないのです。ヒトと動物の病気がほとんど一致しないのもこのお陰です。これを感受性といいます。

 私は、この感受性がワクチンを打ったことでかえって高まる、また、一回罹ったことで反応が速くなり体がインフルエンザ対応の態勢に入り、結果として罹患するのではないかと思っているのです

 そして、もう一つ、罹り始めの時点では、体に入ったウイルスの量と体の症状は比例しないのではないかとも思います。なぜなら、発熱スイッチはウイルスが押すものではなく自分の体が押すものだからです。だから敏感な人はすぐに反応して熱が出る=罹患したということになります。発熱期間もまちまちです。たくさんのウイルスに侵入された人や疲れて免疫力の落ちている人はリンパ球の応戦よりもウイルスの増殖の方が速くなり何日も熱が出ることになるのでしょう。

 一見、罹ったか罹らなかったかだけの2タイプに分けられることも、細かく見るとこのようになります。

症状は、 
 A しっかりかかり、高熱が何日も出た
 B 高熱が一日だけ出た
 C 筋肉痛かと思うような関節痛、だるさ、喉の乾燥や痛み、咳などがあった
 D 全く何も症状がなかった                         に分かれます。

 このうちAやBの状態でウイルス検査をしてもらって陽性と出た場合にだけ明らかにインフルエンザに罹ったということになりますが、不顕性感染を考慮するとA〜Dまでどの場合でも抗体ができていることがあります。軽く罹ったということです。

 ワクチン接種の面から言えば、Aはタミフル同様ワクチンを接種しても重症化を防げるのかどうか定かではないこと、BやCはワクチンの接種で抗体がすぐにつくられ、症状が重くならなかった場合とワクチンにより感受性が高まって少し入ってきたウイルスに反応し症状が出た場合と2通りあります。Dは全く感受性がない人かウイルスに接触していない人を除けばやはりBやCと同じ2タイプあることになります。BやCのもっと軽い場合です。

 私の見識ではワクチンの効果(罹る・罹らない)はせいぜい2〜3割だということです。2〜3割の人が不顕性あるいは陰性に終わる反面、2〜3割の人がワクチンにより感受性が高まって罹る(陽性)ことになるならば全体として罹患率は変わらないことになります

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