私も流行の範囲が広まってくると人ごみに出る時は子供にマスクをさせるなど予防措置を取っていましたが、いよいよ間際まで迫ってくるとできればうつらないで欲しいという思いと難なく罹って新型の免疫をつけて欲しいとの思いが錯綜し、もし罹ったらどうしようかと随分悩みました。
ネットでニュースやらブログやらを拝見させていただき、どうも38〜39度台前半の熱がきちんと出た場合はまず大丈夫だろうとの結論に達しました。マスコミではタミフルをのんだか否かが焦点になり、解熱剤をのんだか否かはあまり報道されません。タミフルをのむ前に市販か家にある解熱剤をのんだか否かははっきりとはわからないのです。
さて、ウチでも長女が罹り、38度台の高熱が出ました。まずは、病院に連れて行ってインフルエンザの判定を受け、A型陽性と出ました。その時は、葛根湯だけもらいましたが、胸がちょっと苦しいかもと言われるとウイルス性肺炎やサイトカインストームが心配でリレンザならと夕方また処方してもらいました。
夕方リレンザを吸引し、次の日の夕方にはすっかり解熱し、元気になりました。学校に行くと同時期に休んでいた子はあと2人で、やはりリレンザをもらって1日くらいで熱は引いたそうです。普通のインフルエンザならタミフルもリレンザも要らないと拒否するつもりでいましたが、具合が悪くなったら途中でもやめてもいいというので使用することに同意しました。(一回目、腕に少し発疹が出ましたが、薬剤師が大丈夫と言うので続けました。)でも、これだけ早く解熱し体も楽になると万が一の副作用を考えて自分の子だけもう1日余分に高熱で苦しませておくのは悪いような気がしてさえきます。
ところが約2ヵ月後、奇妙なことが起こります。また、新型インフルエンザの小流行がこのあたりでありました。そうしたら、ウチの娘とそして前回同時期に罹っていた子がまた熱で休んだのです。高熱は一晩だけで朝には引いたので病院には行かず、何だったのかはわかりませんが。
たしかに2ヵ月弱経っているのでウイルスに変異があったかも知れません。しかし、型には大きな違いはなかったと思います。タミフルもリレンザもウイルスが細胞の外に出ないようにしているだけですから十分な免疫が付かなかったと考えられるところです。すぐにウイルスの増殖を抑えてしまうと、ワクチンを打った程度にしか免疫獲得の効果がないのかも知れません。
さらに最近もっと必要性を否定されるようなことがありました。
私は肺炎などの合併症を心配してリレンザを使ったのですが、2009年12月9日英国医学雑誌で「オセルタミビルがインフルエンザ時の肺炎などの合併症に効果があるという証拠はない」と発表されたというびっくりの記事を見つけたのです。(NPOJIP「薬のチェックは命のチェック」38号)
「コクラン共同計画」という医療技術が本当に価値があるかどうか根拠を問い直すため世界が協力して進めている一大共同研究プロジェクトが調査したところによると、「ノイラミニダーゼ阻害剤は子どもの季節性インフルエンザ症状の期間を短くすることと家族内感染の予防にわずかな利益をもたらす。喘息発作と抗生物質使用への効果はほとんどない。重篤な合併症発生を下げることと、新型A/H1N1インフルエンザへの効果はわからない」と、2009年8月に改訂しています。
日本では大量に余ったワクチンのこともあるのか全く話題になりませんでした。
メキシコやアメリカ、カナダで新型インフルエンザにより多くの人が亡くなったのは解熱剤のせいでは? と思います。アメリカでは心臓疾患予防のためにアスピリン(非ステロイド剤:解熱剤としても使われる)を普段からビタミン剤のように服用しているようです。日本で流行り出した時はすぐにタミフルかリレンザだったので加えて解熱剤まで服用するケースは少なかったのではないかと思います。
私はサイトカインストームは解熱剤で体の中でのある信号を止めているためにその遮断機が外れると、今まで止められていた命令の数だけ一斉にウイルスや菌を退治しようとリンパ球が押し寄せてしまうため、肺がリンパ液でいっぱいになってしまうのではないかと考えています。
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